2025.02.21

 

ミニをはじめとするBMC Aタイプエンジンは、吸気ポートが2つ、排気ポートが3つの5ポート構造です。

ウェーバーキャブレターは1機で2つの吸気口があるため、1機でも十分ですが、Aタイプエンジンはもともとウェーバーキャブレターの使用を前提とした設計ではないため、1機ではマニホールドが曲がり、吸気抵抗が発生してしまいます。

そこで考案されたのが「スプリットウェーバー」です。 これはウェーバーキャブレターを2機使用し、それぞれの吸気ポートに直線的にキャブレターの吸気口を配置する方法です。装着には不要な吸気口の燃料経路を塞ぐ必要があることや、干渉を避けるためにキャブレターボディを加工するなど、多くの工夫が必要となります。まさに極限の領域でパワーを追求する為の仕様です。

今回掲載している写真は、Austin Healey Sprite Mk1(カニ目)のレースカーに搭載されたスプリットウェーバーの例です。

それぞれのマニホールドで1機ずつのウェーバーキャブレターを支える形になることや、高回転時の振動の問題など、エンジン自体もキャブレター自体も「想定外」の使用方法となります。そのため、エンジンブロックにある機械式燃料ポンプの取付穴を利用し、キャブレターを支える補強ステーを設けることで耐久性を確保しています。

パワーを追求するだけでなく、極限の走行をしても壊れず完走するために、さまざまな試行錯誤があります。

リーフガレージでは、レースで得た車やエンジン各々のウィークポイントなどのノウハウを日常のメンテナンスや予防整備に活かし、皆様と名車がこれからもグッドコンディションで走れるよう研究を続けています!