2025.12.17

クラシックカーの評価は、オリジナル度やヒストリーで大きく変わります!その判断材料として、車検証上に記載の車名や製造年月日、シリアル番号が確かな情報と思われがちですが、そうとは限りません!
よくある例として、1990年代前半までのケーターハム・スーパーセブンで車名が「ロータス」となっている例や、保安基準適合年月日が日本への輸入日になってしまっている例があります。
また、ミニの部品を流用したキットカーでも、登録の便宜上車名「ミニ」となることも少なくありません。
このように英国車では、バッヂエンジニアリングや部品流用キットカーが盛んだったため、並行輸入時の車検証の情報が本来の仕様と異なることが多く見られます。
これは、当時、日本国内での登録の際に必要な諸元等の情報を記載する為に、現地での書類や車両の特徴などから通関証明書を作製した為だと思われます。
なので、車検証はあくまで役所の管理台帳である為、その車両のヒストリーを正確に記したものではないということです。
Heritage Certificate(そのシャーシ番号の車両が製造されていたことや出荷時の仕様・グレードを証明する書類)を発行しているBritish Motor Museumでも、申請時には車検証の情報が誤っていることが多いため、実車の刻印やシリアルプレートでの確認を案内しています。(この証明書は実車との同一性まで保証するものではありませんが、オリジナル度や出荷時の姿を知るロマンがありますね!)
長い車歴の中で、多くの人の手によるレストアやカスタムが加わる英国車。
評価や判断は専門家でも難しいのです。
書類ももちろん大切ですが、それが全てではなく、目の前の実車が大切で、書類に相違があったとしても、それもその車のヒストリーとして、背景を調べてみたり、想いを馳せたりすることができるのもクラシックカーの楽しみですね!

